全児演のぶろぐ

アクセスカウンタ

zoom RSS ノエル・ジョーダンワークショップに参加しました。

<<   作成日時 : 2009/03/02 01:42   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3

2月23〜25日、クラルテで、
児演協主催の「オーストラリアの児童青少年演劇に学ぶ」という講座に参加しました。

講師は、2003年よりシドニーオペラハウスで児童青少年演劇のプロデューサーを務め
制作、演出、劇作、教育、俳優訓練に経験と実績を持ち、自身も俳優経験もある
ノエル・ジョーダン氏。

1日目はシドニーオペラハウスでどのようなプログラムを組んでいるか、
その取り組みの説明。
SOHでは、ただ作品を購入するだけでなく、新しい作品を創作しています。
例としては−
先生のために、授業とリンクしたノートを用意。それは鑑賞前に何をするべきか、とか
鑑賞後何に取り組むべきかなどが書いてあり、先生にアクティブなものを託す。
作品理解を深めるため、その作品内容に関する博物館や植物園、
時には裁判所などに行けるよう、公演と両方の提携チケットを用意する。
プログラムの中心は若者自身であるということを常に考え、
作品の制作の過程で、生徒に参加してもらい意見を聞く取り組みもする。
子どもたちがずっと手元において、何度も見たくなる絵本のようなパンフレット作成。
などなど・・・

作品については、私は
「baby pramus」という2〜5歳向けの音楽プログラムに興味を持ちました。

そして、2日目からは表現者向けのワークショップ。
実際に起こった事件を元に、参加者でいくつもシーンを作り上げていきました。

まず、いきなり渡された文面を読んで、その事件に出てくる人物を考えられるだけみんなで挙げていきました。
それからその中の誰か一人を選んでモノローグを考えることをしました。
私は、「生徒と性的関係を結んだと訴えられた教師・アンナ」を選び、考えました。

彼女が家で、夫に対してどんな感情を抱いていたのか、
学校での彼女の立場は?同僚からどんな風に見られていただろう?
そして、生徒は、彼女にとってどんな存在だったのか?
台詞を考えるというより、まず彼女の背景をいろいろ想像しました。
そうすると、彼女の言葉がどんどん湧いてくるのでした。

「誰か、モノローグを発表して」とノエルがサークルになって座っている私たちを見回しました。
ノエルと目があって、なんとなく参加者では年長だし、やっぱ口火を切るべき?と感じ
「はい」と私は手を挙げました。
大きく息を吸って、その息を吐くように台詞を始めました。
書いたものを、全然読む必要がなくて、言葉と感情がどんどん出てきました。
社会に対する怒りのような感情も起きて、言いながら息が荒くなってきました。

それから、「生徒・デビィッドのお母さん」「精神科医」「裁判官」「デビィットの友達」「警官」
など、さまざまな立場の登場人物たちが語りました。
それを聞いているだけで、何だかこの話の中にグイっと入って
おもしろくなってきました。立場によって、事件の捉え方が随分違うのです。

私たちが読んだ記事は、新聞に書かれていたもので、
今回、他のWSと違って面白い視点は、マスコミ側から見た事件をみんなで検証していく
という面にありました。

男子生徒側、女性教師側、それぞれの立場で事件は違っていました。
最初に読んだ記事とは別の記事もあり、それらを読むと
何が真実かますますわからなくなってきました。
ノエルが、例えばこの事件を元に作品を創るとしたら
そのテーマの一つとして考えられるのは、「真実とは何か」ということ、
と言いました。
もし、青少年が私たちと同じようにこの作品に触れた時、
私たちと同じように、様々な角度から「考える」だろうと思いました。

「考える」

青少年が、この「考える」ということをすれば、短絡的な事件やいじめなど
起こりにくくなるかもしれません。

さてそれから私たちは、小さなグループに分かれて、
それぞれ話し合い、考えられるシーンをいくつか創りました。

シーンもひと色ではなく、深刻なシーン、ちょっと幸せなシーン、
事件の発端になるシーン、事件を取り上げた新聞社のシーンなどなど

私は、劇団コーロのSAKU、ツェッペリ、さかなと一緒に
先生が生徒にプールに突き落とされるシーンを創りました。
「季節はいつ?」「何時間目?」「デビィッドは水が好き?」天気は?」
など細かい設定も考え、彼がその行為に及んだ理由にいたるよう考えていきました。
最初は楽しいって思っていたのに、興奮して、行為がエスカレートしていく、
という風に創りました。
そして、先生の気持ちや態度もそれに伴って変化し、
周りの友達も変化していく。

他のシーンも、よく話し合われており、
作品の内容がどんどん深くなっていきました。

他に取り組んだのは、
二人組みで、アンナを解雇する教育局とアンナの会話を即興で話す。
この事件の見出しを考えて、ニュース速報のように言う。
一人のアンナに対して、批判的な台詞を大勢の人が投げかける。

中でも、今回一番力が入っていたシーン創りは、
アンナ、デビィッド、それぞれの悪夢のシーンです。
ノエルの作戦か(?)、アンナ側は私を含むアダルトチーム、
デビィッド側はヤングチームという編成。

デビィッドの悪夢は、シーン毎にデビィッドを演じる役者を変えていき、
彼の孤独や恐怖を見事に表現した作品でした。
台詞を効果的に使い、見ていてドキドキしました。
演じる役者がどんどん変わっていきますが、不自然でなく、
舞台なのに、映像のように画面が切り替わっていくように感じました。

アンナの悪夢は、彼からかかってくる電話をキーに構成しました。
ここでも私はアンナを演じたのですが(だって、他は男の人とマコさんだったんだもん)
「世間」という障害物と闘うということと、彼女にとって何よりも大事なのは「子ども」であるということ
にこだわり、メンバーと一緒に考えました。

この悪夢では、ノエルが用意した音楽を使います。
その場でバックに流れる音楽に合わせ、シーンを展開していくのです。
で、これがまた、両シーンとも奇跡のようにぴったり合ったのでした。
私は身体を持ち上げられるのですが、そこのところが見事に音楽と合って、
気持ちよかったです。
ヤングチームのシーンでも、緊迫した時にちょうど無音になったり、
音楽をよく聞いて合うように動いたり、話したりしていて、
(もちろんノエルが、音量を調節していましたが)
彼も「驚きだ。両方ともすばらしいシーンだった。ここで創ったものを忘れないでほしい。」
と、ちょっと興奮していました。

最後に取り組んだのは、実際のアンナ、デビィッドが言ったといわれる言葉の中から
ひとつを選び、その言葉が発せられる状況を考えシーンを創るものでした。

これまた、どの作品もおもしろかったのですが、秀逸だったのは
潮流のトーマスとすわらじ劇園のケンザキが創った二人のデビィッドのシーン。
背中合わせになって腕を組んでいる二人のデビィッドが、
もがきながら台詞を言います。
彼の苦しみが、その不自由な身体でよく表現されており、
また彼の二面性も現されていて、そのシーンだけでも舞台に乗せられそうでした。

それから、裁判によって仕事を失ったアンナを描いたシーンもよかったし、
がんばろうとしているデビィッドが追い詰められていくシーンもよかったです。

私は最後はアンナと違う役にも取り組みたかったので、
デビィッドの友人が描けるシーンを選びました。
劇団コーロのクレイジーボーイ・クボと若いのにしっかりしているFUと組みました。
クボはとにかく一貫してクレイジーでした。(誉め言葉)

ワークショップ後は、残れる人たちで、ノエルと交流会(飲み会)。
もつ鍋を前にして、「これは鳥?」と聞くので
「いいえ、牛の内臓よ。」と言うと「ひえ〜〜」となった顔がかわいかったです。

画像


たった2日間とは思えないほどの充実した表現ワークショップでした。
「この作品を実際作って上演してほしい。見たい。
この内容をやる時にちょっと悩んだけど、取り組めてよかった。」
とノエルに言われ、一同「できるといいな〜」と思ったのでした。

他の劇団の人たちと交流できたのも、良い経験でした。
知っている人もいましたが、知らない人もいて、
特に劇団コーロの若手たちとたくさん組めたのは、
思わぬ嬉しさでした。
先月から関西ブロックの会議にも参加してくれるようになった
すわらじのケンザキさんも、意外にも(失礼)おもしろい役者さんで
楽しめました。

ところで「いつか、シドニーオペラハウスに行きたいと思います。」と
ノエルに私が言うと
ちょっと渋い顔をして「外は素晴らしいけど、中がね〜」と言われました。
これは初日の制作講座の時も繰り返し言っていたので
きっとよっぽどなのね。内装が気に入ってないのか・・・

帰りに地下鉄で「ミミ、本当に楽しかったよ、ありがとう。」と言われ
とても嬉しかったです。
「私もめっちゃ楽しかった〜」という笑顔で「thank you so much」と言って
握手をしたのでした。

ああ、ほんと、英語の勉強をしなくちゃ、といつも思うのですがね。
「ミミ、君は英語がわかってるはずだ。」と言われ
「あ〜、言ってることは大体わかるけど、話せないの〜」と言う時のみじめさ。
とほほ・・・

それにしても、作品世界も楽しめましたが、
創作の過程、取り組み方、考え方に触れることができたのが何よりでした。

以前スウェーデンのWSの時も、対象年齢、上演会場、テーマなど細かく考え、
子どもにとって作品を見るということがどんな意味を持つのか、とか
普段考えないくらいたくさんのことを考えて、その時も小さな作品を創りましたが、
今回もみんなでディスカッションを重ね、「頭を使った」WSでした。
参加できて、本当によかったです。

コーディネイトしてくださったCAN青芸の千島さんありがとうございました。
チシマの校長先生役もはまっていました。

この関西ブロックでの講座の前に、東京でもあったそうです。
そして、この翌日には名古屋のうりんこ劇場でも。
(うりんこでは座学だけ、もったいないですね)

参加された方、コメントをつけて、フォローをしてくれると嬉しいです。


















テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
千島校長に誘われてたんだけど、参加できませんでした〜。残念残念。
ただじゅん
2009/03/06 00:30
今日は!
WS面白かったですね。読んでいて「ああそんな事もあったんだ」と自分の集中力の無さに呆れるばかりです。でもああいう事実を色んな側面から考えたり、小さなプロットから作り上げていく、そして俳優の個性を大事にするという方法での作品創りというのに憧れますね。今度は「フォーラムシアター」です。私は大阪は参加出来ないのですが、第2弾楽しみにしていて下さい。この前の参加者たちに会いたいんだけど予算がねえ〜。
千島校長
2009/05/18 20:57
はい、フォーラムシアターのWSも楽しみにしています。
海外の講師のWSに参加すると、物の見方や考え方が
広がってくるのを感じます。
自分が変化するのが楽しいです。
今年は無理だけど、東京で開催されているWSにも
参加したいなあ。海外にも行きたいです。
つづみ
2009/05/28 00:22

コメントする help

ニックネーム
本 文
ノエル・ジョーダンワークショップに参加しました。 全児演のぶろぐ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる